前回記事からの続き。
旅も終盤に差し掛かったタイミングで事件が起こる。
こう言っていいだろう。
「事件だ!!!!!!」
お土産購入の散歩からホテルに戻り、ビアラオとプールでクールダウンした僕は、夕方を前にして次なる目的地へ行く事に。
その目的地とは、これも前日現地ガイドに「行かないか??」と誘われた、ラオ式サウナである。
元々、お風呂・サウナ全般大好きな自分だが、半端ない濃度のハーブスチームを浴びれると名高い、この地域独自のサウナは、来た以上必ず行こう!と楽しみにしてたのであります。
ルアンパバーン内に、ラオ式のサウナはいくつかありまして、
・観光客が多い店
・地元民が多い店
・サウナの質(ハーブの濃度・スチームの強弱等)
・市街地からのアクセス
などなど、色々と選択ポイントがあるのですが、自分的にはどれも一長一短があり…。
結果、ルアンパバーンで一番メジャーと言われる「Lao Red Cross SAUNA」へ行く事に決定。
名前の通り、ラオス赤十字が運営するサウナで、サウナ以外にマッサージもやっており、利用料の内のいくらかが寄付になるようなシステムでした。
事前情報として、
・ルアンパバーンで1、2を争うメジャーなサウナ
・ハーブ濃度、スチームの強さ共に文句なし
・市街地からは少し離れるが、それでも他のサウナに比べればアクセス良好
・メジャーで行きやすい立地のため、昨今は観光客が激増し、ローカルな雰囲気を味わいたい人には微妙
・ロッカーが簡易的で、貴重品盗難のリスクについては自己責任
・ある方のブログで、痴漢に遭遇(!!!)の記事アリ
…との事。
期待と不安に胸を膨らませながら入店。
受付で、サウナ利用の旨を告げ利用料(1万5千キープ)を支払い。
海パンのようなものとバスタオルをもらい、奥の方へ。
そして、手荷物をロッカーに預けるのだが、事前情報通り、ロッカーが超簡易的。
一つは年季の入った木製ロッカー、もう一つもなんか適当な造りのスチールロッカー。
なんと言っても、鍵がド◯クエで出てくる鍵とか南京錠とか、簡単に開けられそうな鍵ばかりで不安が止まらない。
腹を括って、一番マシそうなところに荷物を預ける。
(結局何の被害にも遭いませんでした)
シャワーを浴び、サウナルームへ…。
す、すごい蒸気…
そしてレモングラスの香りが半端ない。
あまりにも強烈なスチームサウナ。
大袈裟ではなく、30センチから先が全く見えない。サウナルーム内の構造も分からなければ、自分以外に人がいるのかもわからない。
しばし入口で立ったまま目が慣れるのを待ち、ようやく一人分の座席スペースを見つけ、チョコンと腰掛ける。
いやー、しかし凄い。この激烈なハーブスチームは、間違いなく他では味わえないであろう。鼻、口、毛穴…全身の穴という穴にレモングラスの香りが吸い込まれていく。
自分自身がハーブになったかのようだ。
きっとこの時僕はレモングラスそのものだったはずだ。
汗ダクになり、一度退室。この辺は日本のサウナと同じで、水風呂はないものの、サウナ→シャワー→休憩→サウナ、をみんな繰り返している。
休憩ルームでは、地元ラオ人おっさん達が談笑しており、緊張しながらそこに混じる。飲み放題の苦いお茶を飲むが、味がなかなか入ってこなかった。
日本で置き換えたら、住宅街の銭湯になぜか一人だけ外国人がいる感じだろう。
もちろん、ラオ人は観光客には慣れっこではあるが。
ちなみに、サウナルームは男女別だが、こちらの休憩スペースは男女共用。
腹の出たパンイチのおっさん達と、タオルで全身を隠した女性が、ともに汗ダクで共存。その辺りに抵抗がある人は注意が必要。
…何度かルーチンをこなし、すっかりこのサウナを気に入った自分。しかし、ここでその事件が起こる。
何度目かのルーチンで、サウナルームに入室。入る度に強烈なスチームで眼前が見えなくなるのだが、ある程度部屋内の構造は把握しつつあったため、スペースを見つけ着席。
しかし、丁度イスの下からスチームが上がってくる場所だったらしく、ケツに超激アツのスチームが当たってくる。
「アチーーー!」
そんなリアクションをしていると、隣に座っていたラオ人のオッさんに腕を掴まれ、「詰めてやるからこっち来い」と、熱くないところまで引き寄せてくれた。
この時は、いいおっさんだ!有難う!と思ったのだが、直後に期待を裏切られる。
ふと、自分の前に仁王立ちになったオッサン。どうしたのだろうと思っていると、何やら僕の手を触ってくるではないか。しかも手のひらをフェザータッチで…大切な人を愛でるかの如く、優しいタッチを…。
ちょっとヤベーなと思いつつも、人間というのは面白いもので、余りにも急な事で頭が回らず、とりあえず苦笑いをしながら時が過ぎるのを待とうとする。
しかし今度は二の腕をペタペタ触ってくる。
流石に少しヤバイと判断。「NO」と告げるも、少ししたら再開。
今度は太もも、そして鼠蹊部を狙ってくるではないか…。
流石にコレはアウトと、というか、怖っえぇと思い、「NO!!! NOォーーーー!!!」と全力で拒否。丁度そのタイミングで別のラオ人が入室したため、オッサンは触るのを諦め、別スペースに腰を下ろしたのであった。
休憩スペースに戻った僕は、どんなオッサンだったか見たくて、彼がサウナルームから出てくるまでしばし待機。
しばらくし、何食わぬ顔で出てきたオッサン。浅黒く良いガタイをしていた。歳は50くらい。僕と目が合うも、動揺もせず、地元ラオ人と談笑しているではないか。
他の方が体験した痴漢と同一人物なのだろうか、この感じは常習犯なんだろうな…。
と、最後は少しだけ微妙な気持ちになりながらサウナをあとにする事に。
結果、
・サウナの質は最高
・貴重品対策は自己責任(僕の感覚では余り気にする事ないと思いました)
・事前情報に反し、行った時は観光客は自分のみで、非常にローカルな雰囲気を味わえた
・痴漢のオッサン、いた!
以上。
サウナを出ると街は夕暮れ。
身体中に染み付いたレモングラスの匂いが消えぬうちに、今日もラオ式マッサージを受けようと決意。
サービスで、いい匂いのジェルを沢山塗ってくれた。気持ちよかったです。
この時点で18:30くらい。最終日の夜をどう過ごそうか考えるも、無目的にプラプラしようかな、と歩を進める。
屋台で揚げ春巻きゲット。うまー。
このままナイトマーケットに突入し、ラオス像の刺繍が入ったポーチをお土産に購入。オマケで、「LAOS」の刺繍入りミサンガをくれました。毎晩やってるナイトマーケット、正直そんな安くはないのだが、客の呼び込みとか全くしていなくて非常に居心地がいい。あんまり売る気がないのんびりした感じ。
値切りにはあまり応じてくれませんが、僕の場合は何かにつけてサービスしてくれました。
カクテル屋台を発見。
この気候、そして東南アジア、あれしかないでしょ。
モヒーーート。
チャカチャカシャカシャカ。
完成。(ピント外れまくり)
突き抜けるミント(ミント以外の味もした)の香りが最高。
ルアンパバーンの夜はふける。
この街のイッヌには定位置というものがあるのだろうか。
最後の夜も屋台目メシ。
ビアラオとパッタイ。
Too spicy.
美味でした。
完食し帰ホテル。
明日の夕方にはこの地を発つ。
メロウな毎日にも慣れ、メリーゴーランドに揺られるような日々に飽きがきつつあったが、少しだけ寂しくなってきた。
たぶん、次の記事で旅行記完結です。