4日目の朝。午前4時に起床。
もともと早起きなのもありますが、こちらに来てから日中歩き回ってグッタリ&夜にビアラオ飲んでほろ酔いのダブルパンチで、20時過ぎには寝落ちしており、自然と夜が明ける前に目を覚ましていたのでありました。
そしてそう。今日こそルアンパバーンならではの光景・托鉢の見学に行こうと思ったのです。
午前5時過ぎ。まだ街を暗闇が支配する中、出発。
出発。といっても、托鉢が行われるエリアは、まぁまぁナイトマーケット〜メインストリートエリアと被っているので、ホテルからは歩いて10分くらいの距離。
この時間にも関わらず、少しずつ人が増えてきた。
路上に置かれているカラフルな椅子は、托鉢に参加する方が座られる場所。
そうこうしているうちに、向こうから僧侶の列が見えてきた。
一番最初に思った事。
観光客多すぎ。そしてマナー悪すぎ。
どこの誰とは言わないが、あんだけ「フラッシュたくな」と書かれてるのにバンバンフラッシュたくし、歩道に乗り上げ僧侶の進行方向邪魔するし…まず、その無法地帯ぶりに圧倒された。
そして、マナーの悪い観光客は、監視のおばちゃんからメッチャ怒られてた。(当たり前だ…)
途中ふと気になったのは、要所要所に置いてある、一見するとゴミ箱のような入れ物に、施しで貰った食物を僧侶がポンポンと投げ入れていた事。
あとで聞いたら、「NO litter」の文字通り、これはゴミ箱ではなく、次から次へと食物をもらい入りきらなくなった分をこちらに適宜入れていき、後ほど回収するのだとか。
なるほど。
もうとにかく観光客だらけなので、異様な空気に呑まれそうになるのだが、当の僧侶達は真剣そのもの。途中一人の観光客が、小学生くらいの小さな托鉢僧を見つけ、これみよがしに規定以外の高そうな品物(他の人は、皆決められたもち米とお菓子のみをあげている)をあげようとしたところ、少年僧侶はキッパリ断っていた。(もちろんその観光客は、監視のおばちゃんからも、他の観光客からも怒られていた)
我々のような一見さん(観光客)からしたら、ある種の見世物なのだろう。しかし、現地の方々からしたら洒落や酔狂ではなく、ただ当たり前の日常の光景なのだ。もちろん、そんな光景が未だに残っている事に、観光客はある種の訪れる価値を感じ、結果、彼らが落としていくお金により、この街が潤っていくという側面はあるだろう。
気楽な気持ちで見にきたつもりが、いつのまにかグルグルと考えていたその時、一つの光景が目に飛び込んできた。
托鉢はメイン通りが中心で、観光客もメインを見ればまぁ満足なところがあり、その後を追っていく人は少ないのだが、僕は考えこみながら僧侶の列を追っていた。
人も少なくなった裏通りに差し掛かり、唖然とした。
そこにはまず日本では見る事の無いような、ストリートチルドレンといっていいであろう、子供達が、托鉢僧から施しを受けている姿があった。
この現場こそ知られるべきなのに、人知れずひっそりと。
僕はここにある種の高潔さを感じたし、この托鉢という行為そのものが、日常の中に組み込まれた本気の取り組みなのだと感じた。
気付いたらこの光景も写真におさめていたのだが、どうもこのような場で公開する事に抵抗があるため、載せない事とする。
観光客だらけで、とにかく俗っぽい雰囲気だった。しかし、間違いなくエンタメではなく、感じたのはスピリチュアルなものであった。
この文化としての托鉢については賛否両論あるようで、それで良いと思うし、みんな自分なりの答えを持てればいいと思う。
托鉢が終わり、空が白み始めてきた。
一番ベタなはずの観光名所、街の中心部に位置するプーシーの丘にまだ行ってなかったなと思い、このタイミングで行ってみる事に。
途中で入場料2万キープを取られ(こんな朝早くから入場料取る係りの人いるのね…)、なかなか険しい階段を登り、丘の頂上へ。
早朝のルアンパバーンの街を一望。
ボケーっと景色を眺めていると、背後から「日が昇るのを待っているのですか??」「何時に昇ると思いますか??」とカタコト英語で問いかけが。
振り向くと、見た目は完全に60〜70歳くらいの日本人男性。
どうやら僕の事が日本人以外のアジア人に見えたらしく、英語で話しかけたそうな。
この御仁としばし歓談。
この方、30年ほど前に初めてラオスを訪れたらしく、あの頃と比べると、ラオスも良くも悪くも変わってしまった…と、遠い目をされていた。
そして、親子ほど歳が離れているであろう、僕に対しても、メチャクチャ敬意を込めて話しかけてくださり…というか、日本語の使い方が僕の知っているソレとは違い、大変上品なものであった。
きっと社会的地位が高く、徳を積まれたお方なのだろう。
ただそれとは別に、某外国の事をめちゃくちゃディスっておられた(笑)
「数十年前、この丘に来た時と同じ構図で写真を撮って欲しい」と請われ、御仁とルアンパバーンの街をフレームに収める。
その後、朝市を見学。
これはあれだ。観光客向けではなく、地元の人達のための市場だ。アジアの光景。なかなかショッキングな映像も多々あったので、心臓が弱い人は注意が必要かもしれない。
朝食をとりにホテルへ。イッヌ氏、安定のお出迎え。
毎日ほぼ変わりばえのないメニューに流石に飽きてきたけど、美味しいからヨシとする。このパンとマンゴーがあれば言う事はない。
さあ、今日は滞在最終日前日だ。滝も行ったし托鉢も見たし、何をしようか。
歩きでも半日強あれば、一周できてしまうほどのコンパクトな世界遺産シティ・ルアンパバーン。
今日はお土産を探しながらブラブラする事に。
ホテルを出て、これまで向かった事のない中心地からは反対の方向へ向かう。
しばらく歩いたところでオシャレカフェを発見。
今風(いまふう)。
リンゴとキウイのスムージー(16000キープ≒200円)。この街並みと調和する色合い。
しかし、本当ルアンパバーンはカフェ天国である。欧米人観光客相手の店が殆どなのだが、とにかく良い感じのカフェばかり。
しかも大体の店が朝からビアラオが飲める笑。
ボケっとするには絶好の街なのである。
そんな事を思いながら、グビグビスムージーを飲みつつ散歩再開。
散歩最高だな。
そうしたら見えてきました。
街中のワット(寺院)入口には、たいていこのような表記…世界遺産なので色々注意してね、的なものが掲示されてました。
ルアンパバーン最古の寺院とされている、ワットヴィスンナラート。通称スイカ寺と呼ばれてるらしい。
写真だとそれなりの大きさに見えますが、実物は結構大きかったです。
というか事前にネットで見たのに比べて、あまりにも綺麗。改修直後だったのであろう。
土産物屋がやる気なさすぎて、逆に何か買いたくなるレベル。
名もなき門(?)
この朽ちた雰囲気が、この寺院内では一番気に入りました。
このへんの作りには、ややヒンズーみを感じたり。
…と散策を終え、気づけば昼前だというのにとにかく暑い。
ここらで、次の目的地へ。
ルアンパバーンを訪れる観光客が、ほぼ必ず行くというカフェ・ユートピア。いわゆる有名店。ザ・観光地的なとこみたいです。
ちょうど、こちらのワットヴィスンナラートと道路を挟んだところに入口がある。
そう、前日(3日目)の記事後半、ホテルを出たところで現地ガイドに「ブラザー一緒に行かないか??」と誘われたカフェ。
で、この入口から少しばかり歩かされる。
出た。
ルアンパバーンではお馴染み、木の橋。
バイクがバンバン通り、とってもしなる橋でした笑
橋を渡り終えてからも、まだ少し歩かされる。
そしてついに…。
到着。
この店に名前をつけるのであれば「UTOPIA」以外見当たらないだろというような雰囲気。
そしてここでも自撮りにトライ。
どう頑張っても「ウェイ!」という感じが出ないのは、僕の資質的なものなのであろう。自撮りという陽的行為にも関わらず、どこか社会を信用していない、そんな斜に構えた雰囲気が感じられる。
そんなのはさておき…。
いやー、最高だな。
「映える(ばえる)ヤツをお願いします」というカタコト英語でオーダー(マジです)。で来たのがコレ。
シリアルボウル的なのとスムージーで5〜6万キープくらいでした。
マンゴー被りでしたが、たまらん。
このカフェの素晴らしいところとして、知名度的にも、お店の雰囲気的にも、訪れる客層的にも…とにかく陽キャ臭が全面に押し出されたお店にも関わらず、全体の空気としての「自由」が圧倒的であるトコ。
他者に対する圧倒的不干渉。個人の「楽しい」をひたすら楽しみ、それを他者に強要しない自由さ。
みんなある程度は写真を撮ったり、キャッキャしてるものの、基本的にはボケーっとしてる。僕も、ナムカーン川沿いの席でひたすらボーっとしてました。無音。
寝たり起きたり、気づけば2時間くらい滞在。
12時を回る辺りで、そろそろ出る事に。
一回ホテル戻ろうかと、プラプラ歩き。
これもなかなか漫画的な光景。
そして。
ホテル前で「またかよ」と言わんばかりに待ち構えていたイッヌ。
自室に戻り、トイレと瞬間的シャワーを済まし、再度外出。
そしたら…
この旅イチ触らせてくれたネッコと遭遇。
近くにいた飼い主と思しきラオ人に「こんなに懐くなんて珍しいよ!」と褒められる。
ネッコ有難う。
引き続きテクテク。
適当にシュパッて撮るだけで、まぁまぁ良いのが撮れるのがこの街の持つポテンシャルであろう。
少しずつお腹が減りだし…。
出た!サンドイッチ!
こちらのはパワー系サンドイッチでした。
どこで食べても、とにかくパンがカリふわで美味い。
食後、お土産を探し更に街を徘徊。
スーパーと小洒落たお土産屋さんをハシゴし、ラオコーヒー、ハーブティーなど、お土産を購入。
だいぶ歩き(この時点で2万歩くらい)、疲労困憊になったため、またホテルへ戻り休憩。
そして…
プッ、プッ、ぷっはーーー!
※海坊主風味
ホテルプール最高。
ほぼ毎日入ってましたが、この時のプールが一番キモヂがった。
平泳ぎとビアラオを交互に繰り返し、気づけば16時前。
クールダウンできたところで、次の目的地へ。
実はこの旅でかなり楽しみにしていた所だったのだが、まさかの悲劇(喜劇)が待ち受けているのであった…!!!
…次回へ続きます。